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医療広告ガイドラインは「アフィリエイト」も対象!規制内容を確認

2018年6月に、厚生労働省により「医療広告ガイドライン」の改正・適用が実施されました。医療広告ガイドラインとは、医療広告における表現内容に規定をもたせるものです。

この改正では、ホームページなどのwebサイトまで広告とみなす範囲を拡大しました。規制の対象は医療機関に留まらず、アフィリエイトなどの医療広告を発信する側にも責任が問われます。

参照:医療広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf

医療広告ガイドラインはなぜ改正された?

昨今では、医療機関を受診する際にwebサイトで情報を得てから受診を決める患者が増えています。そのため医療機関のホームページなどでも“患者にとって有益な情報”を提供することが大切です。

ですが誤解を招く表現が散見され、その情報を信じた患者が“受診してみたら表記されていた内容とは全然違う結果になった”と損害を被ることが多くあったのです。とくに美容医療において消費者トラブルが絶えない状況でした。

そこで厚生労働省はホームページなどのwebサイトも広告とみなすことを決め、医療広告ガイドラインの改正が適用されたのです。

アフィリエイトも規制の対象になる?

医療広告ガイドラインでは、アフィリエイターも広告規制の対象であると明記しています。

広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、 テレビ、出版等の業務に携わる者及びアフィリエイターは、依頼を受けて広告依頼者の責任によ り作成又は作成された広告を掲載、放送等するに当たっては、当該広告の内容が虚偽誇大なもの 等、法や本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった場合 には、広告依頼者とともに法や本指針による指導等の対象となり得るものである。

引用:医療広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf

医療広告ガイドラインに違反している広告があった場合、その広告を作成し依頼した医療機関が処分を受けるのはもちろん、その広告を掲載したアフィリエイターにも同様に処分がおこなわれます。

「作成した側が勝手に違反した。気付かずに掲載してしまった」「医療広告ガイドラインなんて知らなかった」では済まされないということです。

アフィリエイターは掲載する広告の内容をしっかりと確認し、医療広告ガイドラインに違反していないかを判断する必要があります。

広告と判断される基準とは?

広告と判断するポイントは「誘引性」と「特定性」です。

① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

引用:医療広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf


媒体で決まるのではなく、患者の来院を促す目的があるものや、医療機関の働きかけがあるものは「誘引性あり」と判断され、広告としてみなされます。
また、治療方法を紹介する目的のwebサイトであっても、医療機関の名称や電話番号など特定できる情報が含まれている場合は広告とみなされます。

誘引性ありと判断されるwebサイト

  • 医療機関の公式サイト
  • 医療機関が制作・運営する情報サイト
  • アフィリエイトによるバナー広告
  • リスティング広告

など、医療機関側が患者の来院を促す目的があるwebページなどには、「誘引性」があります 。

誘引性なしと判断されるwebサイト

  • 不特定多数の医療機関の情報を扱うサイトや口コミサイト
  • 自分のブログやSNSなど

医療機関の働きかけを受けていない新聞記事など は医療機関の働きかけがない場合には「誘引性なし」と判断されます。

アフィリエイトのサイトやブログはどうすればいい?

アフィリエイトブログに広告を貼る場合は?

アフィリエイトのブログにバナー広告などを貼る場合は、医療広告ガイドラインの規制の対象です。

広告を作成した医療機関が違反のある表現をしていた場合、その広告を貼ったアフィリエイターにも責任が問われます。“違反の疑いのある医療広告は貼らない“ことが重要です。

また、医療広告ガイドラインには「限定解除」という要件を満たせば記載できる内容が設けられていますが、アフィリエイトのバナー広告はこの対象ではありませんので、 医療広告ガイドラインで禁止されている表現は一切できません。

「医療機関を紹介する」アフィリエイトサイトは?

複数の医療機関を紹介するサイトでは、「誘引性」と「特定性」がない場合に限り広告とはみなされません。ただし、アフィリエイトサイトでは広告を貼らなければ収入になりません。 広告を貼るときは

  • “広告自体”の表現内容が違反していないか確認する
  • 特定の医療機関のみの広告を貼るのはNG

上記のことに注意する必要があります。

また、比較をして特定の医療機関の優位性を強調したりすることもできません。あくまで解説や紹介に留め、誘導するような表現はできません。

「医療機関の口コミサイト」のアフィリエイトサイトは?

医療機関の口コミサイトも「医療機関を紹介するサイト」同様に「誘引性」と「特定性」がない場合のみ広告とはみなされません。

ただし、口コミランキングサイトなど、順位をつけるなどをして特定の医療機関を強調することはできません。 貼り付ける広告内容を確認し、特定の医療機関のみではなく「特定性」がないように注意しましょう。

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医療広告ガイドラインにおいて禁止された表現

医療広告ガイドラインではさまざまな表現方法に規定をもたせ、患者の誤解を招くような表現を禁止しています。

(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

引用:医療広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf

比較優良広告NG

比較優良広告とは、特定の医療機関などを他と比較し、優位性を強調するものです。これはたとえ事実であっても認められず、誤認を招く表現だとされています。

比較優良広告と判断される表現例

「日本一」「No.1」「最高」などの表現

最上級にあたる表現はできません。 著しく誤認を与える表現を除き、客観的な事実においては表記が可能ですが、求められればその事実となる根拠を客観的に実証できなければなりません。

また、調査結果などを引用した広告については、出典・調査の実施主体・調査の範囲・実施時期等をあわせて明記する必要があります。

「著名人も通うクリニック」「女優の〇〇も治療をうけました」などの表現

著名人の関連性を強調し、その優位性を示す表現はできません。

誇大広告NG

誇大広告とは、事実を不当に誇張するなどをして誤認を招く表現のことです。

誇大広告にあたる表現例

「比較的安全な手術です」

なにと比較して安全であるのかが明確でないため、表現できません。

「〇〇センター」の表記
  • 〇〇センターの表記は 救命救急センター、休日夜間急患センターなどの一定の医療を担う医療機関である場合
  • 地域における中核的な機能や役割を担っていると 都道府県等が認める場合

に限って表記が可能です。 よって、「インプラントセンター」などの表記は認められていません。

「こんな症状がある場合は命にかかわります、すぐに受診してください」などの表記

科学的な根拠に乏しい情報であり、誇大広告に該当します。

虚偽広告NG

虚偽広告とは、事実と異なる内容を表現した広告です。

虚偽広告と判断される表現例

「絶対安全な手術」「難しい症例でも必ず成功」などの表記

絶対安全や必ず成功といった表現はできません。医学上あり得ないことであり、虚偽広告に該当します。

「厚生労働省が認可した〇〇専門医」

専門医の資格認定をおこなうのは学会であり、厚生労働省ではありません。一般の人は虚偽と気が付かない表現であるため、注意が必要です。

加工・修正した術前術後の写真

いわゆるビフォーアフター写真について、加工や修正をおこなったもの、また撮影条件や被写体の状態を変えたものは認められていません。

加工や修正をおこなわない術前術後の写真は、限定解除要件を満たした場合にのみ表記可能ですが、アフィリエイターが掲載するバナー広告などは該当せず、掲載できません。

データー根拠が明記されていない「〇%の満足度」

具体的な調査の方法などを明記せず、「〇%の満足度」といった表記はできません。

また、調査方法において非常に限られた患者を対象におこなったものや、謝礼を支払うなどをした調査方法は認められません。

景品表示法、医薬品医療機器等法(薬機法)、健康増進法に違反する表現NG

医療広告ガイドラインでは、景品表示法、医薬品医療機器等法(薬機法)、健康増進法にも触れています。

それぞれの規制に違反する表現とみなされる場合には、医療広告ガイドラインに示されている「誇大広告」や「虚偽広告」などと合わせて広告規制を受けるべきとしています。

患者の体験談や口コミ掲載はNG

医療広告とみなすものにおいて、患者の体験談や口コミの掲載は禁止されています。

 特定の医療機関の体験談に誘引性がある場合には、広告規制の対象となり、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することはできません。

引用:医療広告ガイドラインに関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000371826.pdf


そもそも患者の体験談や口コミは個人の感想に留まるものであり、患者によって異なります。体験談や口コミには誇張されて表現が含まれているものもあるため、医療広告においていかなる場合でも掲載できません。

医療広告ガイドラインでは、治療内容や効果などの体験談や口コミの掲載禁止とあります。例えば施設の雰囲気やスタッフの対応についての体験談や口コミ掲載については触れられていません。掲載できるかは、グレーゾーンといえそうです。

その他の禁止されている表現

品位を損ねる表現はNG

「今なら〇%オフ!」や「キャンペーン実施中」などの表現はできません 病人が回復して元気になるイラストなど も、“自分もそうなれる”と患者に誤認を与えるため、掲載できません。

「痛くない治療」「痛みの少ない治療」

痛いかどうかは患者によって異なるため、表現できません。

治療効果についての表記NG

医療広告において、治療効果の記載は認められていません。ただし、限定解除要件を満たす場合に限り表記可能です。

医療広告で表現OKな内容は?

医療広告ガイドラインで示されている、広告可能な表現は非常に限られています。

  • 診療科目
  • 診療日・診療時間
  • 入院設備の有無 や病床数
  • 医療従事者の氏名・性別・年齢(非常勤である場合はその旨記載)

などに留まり、患者にとって得られる情報はごくわずかです。

限定解除要件で広告可能な表現が増える?

そこで厚生労働省は医療広告ガイドラインに「限定解除要件を満たせば広告でも表現可能な内容」を設け、ホームページなどの医療広告に表現の幅をもたせました。

ホームページなどの「患者が自ら求めて入手する情報」では、以下の記載をした場合に限って表現可能な内容が増えます。

① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

引用:医療広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf

限定解除要件として、

  • 電話番号などの「問い合わせ先」
  • 標準的な治療内容 標準的な治療費用
  • 治療のリスク
  • 治療の副作用

を明記することで、表現可能な内容を増やすことができます。

アフィリエイトのバナー広告は適用外

ただし限定解除要件では「患者自らが求めて入手する情報であること」が前提としてあります。患者が意図せずに目にする広告はあてはまりません。これはつまり、アフィリエイトのバナー広告などはあてはまらないということです。

医療広告ガイドラインに違反をするとどうなる?

アフィリエイトが医療広告ガイドラインに違反した場合、どうなるのでしょうか。厚生労働省では医療広告の監視と審査を「ネットパトロール事業者」に外部委託しており、一般人からの通報もネットパトロール事業者が受け付けています。

医療機関ネットパトロールiryoukoukoku-patroll.com/

監視され、「違反の疑いあり」と判断された医療広告は、審査を受けます。その審査を受け「違反あり」と決定された場合、是正を求められます。改善されない場合には、行政処分や告発、罰則を受けることになります。

罰則の内容

行政処分では

  • 管理者の変更
  • 医療機関の開設許可の取り消し
  • 期間を定めて閉鎖を命ずる

などがあり、罰則では
【6月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金】

  • 虚偽広告
  • 麻酔科の診療科目を広告する際に、医師の氏名を掲載しなかった場合

【20万円以下の罰金】

  • 報告命令に違反した場合
  • 立入検査に違反する場合

懲役や罰金などの重い処分を受けてしまいます。アフィリエイターもこの対象であり、違反をした場合、 アフィリエイトをしているサイトやブログの一定期間の閉鎖 や、罰金または懲役などの罰則を受ける可能性があります。

あらかじめサイトやブログが違反していないか確認しておくことが重要ですが、もしも是正を求められたら即座に応じるようにしましょう。

通報・審査状況

厚生労働省が発表した平成29年度のネットパトロール事業の結果報告(2018年3月31日時点)では、

  • 医療広告などの審査結果総数 603件
  • 一般からの通報は      494件
  • 事業者によるキーワード検索 109件

でした。一般の方からの通報は494件であり、このうち審査の結果不適切な記載があったwebサイトは74件です。

通報の割合では

  • 美容医療 29%
  • 歯科医療 27%
  • 癌    24%
  • その他  20%

と、美容医療や歯科医療における広告内容への不信感がうかがえます。

参考:平成29年度のネットパトロール事業の結果報告
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000209654.pdf

アフィリエイトは医療広告ガイドラインとどう向きあえばいい?

アフィリエイトも医療広告ガイドラインの規制の対象である以上、広告の扱いには十分に注意することが必要です。ユーザーにとっては「広告を作成した側」も「広告を発信した側」も同じであり、違反しないサイトやブログ運営が求められます。

今後も医療広告ガイドラインの改正は予想され、どんどん規制は厳しくなっていくものと考えられます。医療広告ガイドラインなどの「情報を発信する側に求められる規定」をしっかりと理解し、信頼性のあるアフィリエイトをおこないましょう。

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30代主婦ライター。小学生男児の母。 わかりやすく、伝わる文章を研究中。 長年勤務した職場で務めたトレーニングマネージャーとしての経験を活かし、読者の心理に沿った「心をつかむ」ライティングを心がけています。 これまでに経験したジャンルは、「ビジネス・学習」「住宅・不動産」「健康・医療」「育児・教育」など。